amazonトップページがパーソナライズされている件と無意識を意識するということ

少し前から何となく気がついてはいたんですが、amazonトップページの内容が変わりましたね。以前は各ジャンル商品からまんべんなく売れ筋を紹介してたと思うんですけど、最近トップまでパーソナライズされた様子。
なんで改めて気がついたかというと今日久々に見たらこんなラインナップだったからです。思わず新商品の3つをチェックした後、その変化の大きさに気がつきました。以前のトップページでの行動を思い出すと、ほとんどの場合メインのコンテンツに気が向くことはありませんでしたが、今回の変更

  • パーソナライズ
  • 一画面に表示される商品数を絞り、商品説明を省き、画像サイズを大きくする

の結果、このトップに表示された商品ページへの到達率はかなり上がったと思います。パーソナライズされたお勧め商品なのでいずれ到達することは考えられますが、到達速度が早まり商品購入まで進むと他の商品もトップに表示できると思うので、売り上げが上がりそうな気がします。
画像サイズが大きくなり、ほぼ商品写真のみで画面が構成されている点も大きいです。レコード屋さんに行ってジャケ画面が見えるようにお勧め商品が並べられている状態に少し近づいたと思います。ジャケログとかid:jazzanovaさんのブックマークコレクションを見ていいと感じる感じというか。
今までもMyページ経由とか、任意の商品ページ経由でお勧め商品情報を得ることはできましたが、トップページからアクションなしでパーソナライズされたお勧め商品情報を得られるという効果が大きいと感じました。
今デザインの生態学(ISBN:448779918X)という本を読んでいて、無印商品のデザインもしていた深沢直人さんの「active memory(無意識の記憶)」という考えに少し近い感じがします。
active memoryというのは自分では意識してないけど覚えている記憶のことです。例えば普段何気なく掴んでいた電車のつり革が今日触ったら昨日までとは形状/質感(or etc)が変化していることに気がつくというような例。この場合は毎日電車通勤でつり革を掴むという行動で、意識しなくても体がつり革の情報を記憶していたことになります。このactive memoryを意識し、そこをつついてあげることで「おっ」と思わせることが出来るのではないか、という考えです。
今回のamazonトップレイアウトの変更では、Myページへの遷移アクションを減らしパーソナライズされた商品が気持ちよくレイアウトされたことで、「おっ」と感じたのだと思います。
もともとこの本は自分がデザイン好きなのと深沢直人プロダクト好きなので読み始めたんですが、物理的視覚的デザインのみならず、あらゆるデザイン(設計)に関わる、モノを作る人には重要な考え方が得られるのでお勧めです。

デザインの生態学―新しいデザインの教科書

デザインの生態学―新しいデザインの教科書

広告批評の2005/06号が深沢直人特集だったのでこちらにも少し載っています。デザインの生態学は最初はとっつきにくい感じなので広告批評先に見てどんな感じか確かめるのもいいかもしれません。
最後にひとこと。Amazonギフト券欲しい!